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■食事療法 炎症を抑える油はアマニ油とエゴマ油だけではなかった…新しい油とは?
投稿日 2021年11月27日 12:14:50 (動物病院)
今日は、液体の油について勉強しましょう。
まずはじめに、油は大きくわけで、
□飽和脂肪酸
常温では固体 動物の油、ラードなど
□不飽和脂肪酸
常温では液体
です。
常温で【液体の油・不飽和脂肪酸】の話をします。
■不飽和脂肪酸の種類
□オメガ3系脂肪酸
・α-リノレン酸、DHA、EPA
・エゴマ油、アマニ油、キャノーラ油
・DHA、EPAは青背魚の脂
□オメガ6系脂肪酸
・リノール酸とアラキドン酸
・リノール酸は大豆油、コーン油、ごま油、くるみなど
□オメガ9系脂肪酸
・オレイン酸
・オリーブオイル、アルガンオイル、アボカドオイル、
■必須脂肪酸とは?
体の中で作ることができない脂肪酸なので、食事で取る必要があります。
人と同じで以下です。
□オメガ3系脂肪酸
・血流改善やコレステロール値の低下、アレルギー抑制
□オメガ6系脂肪酸
・血中のコレステロール濃度を下げる
・取り過ぎとがんやアレルギーを誘発
ワンコさまと猫さまはオメガ3系とオメガ6系の脂肪酸は体内で合成できないため、必ず食事から摂取する必要があります。
これを読んでいる飼い主さんは、オメガ3は、取られているけれど、オメガ6をあまりあげていなかったかもしれませんが、必須脂肪酸なので、どちらもバランスよくあげましょうね。
■バランスよくオメガ3とオメガ6をあげるのは難しいですよね。
必須脂肪酸について理解されても、バランスといわれても困ると思います。
そこで、今回、ご紹介する油は、カメリナオイルです。
■カメリナオイルって?
カメリナオイルとは?
・カメリナサティバと呼ばれるアブラナ科の植物の種子から抽出したオイル
・必須脂肪酸であるオメガ3、オメガ6を含んでいます
■カメリナオイルはどれくらいあげるといいの?
人でカメリナオイルを小さじ2程度なので、もふもふちゃんの体重換算をしてあげてくださいね。
■カメリナオイルのメリット・デメリットは?
□メリット
・オメガ3、オメガ6、オメガ9の比率が2:1:2とバランスがよい
・還元作用を持つビタミンEが豊富
・カメリナオイルは加熱調理ができ、常温保存
(オメガ3を豊富に含む亜麻仁油やえごま油は酸化しやすいため非加熱調理、冷蔵保存が必要)
□デメリット
嗜好の問題になりますが、カメリナオイルはナッツのような特有の香りがあります。
私は、炒めものに使っています。
■飼い主さんができること
もふもふちゃんのがん治療をしている飼い主さんは、栄養素が大切ということは理解されています。
オメガ3のサプリメントをあげていても酸化していることが多く、かえって体によくないかもしれません。そして、亜麻仁油やエゴマ油は冷蔵が必要で調理には使えないので、難しいですね。
その点、カメリナオイルは室温においていても大丈夫だし、オメガ3、オメガ6もバランスよく入っているので助かりますね。
Source: ブログまねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美ペットのいる暮らし
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