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■がん 猫さまやワンコさまは、肉食なのに、がんのときに何故、肉はよくないの? #がん#BCAA
投稿日 2018年3月14日 10:36:27 (動物病院)
がんの子を多く診察させてもらっています。
治療もしますが、
がんの子には、肉をやめてもらっています。
それは、何故か。
肉類には、
1、IGF-1
2、加熱することで、活性酸素が発生することです。
この説明をします。
細胞分裂の調節の役割をしているのが「mTOR」という物質があります。
正常細胞なら、このmTORが適切に調節をしています。
がん細胞では、このmTORが異常に働き、がんの成長に関わります。
以下にも書いています。
https://ameblo.jp/vet-manekineko/entry-12332540049.html
このmTORを活発にするのが、
1、インシュリン
2、IGF-1
があります。
肉類には、このIGF-1が多くあるので、がんの細胞分裂を活発にするために、食べるとよくないのです。そして、肉類を加熱すると活性酸素が出来ます。
人間が、がんになると、食事療法もされています。
猫さまやワンコさまは、肉食なので、肉類を与えないということは、難しいですが、
1、植物性タンパク質
2、ナッツ類
を取ってもらい、
1、血液検査
をしながら、貧血、TPやALBのチェックをして、
足りない場合は、
1、アミノ酸のサプリメント(BCAAなど)
2、ヘム鉄
あげてもらっています。
マウス実験では、
「タンパク質の摂取量とIGF-1のレベル、がんの成長の関係」
次のようなデーターがあります。
18週齢の雄のマウスを2グループ用意し、39日間連続的に同カロリーで
●高タンパク質の食餌(タンパク質量は全カロリーの18%)
●低タンパク質の食餌(タンパク質量は全カロリーの4~7%)
実験前に悪性黒色腫の腫瘍を移植し、観察しました。
(結果)
●どちらのグループのマウスにも腫瘍ができました
●低タンパク質の食餌グループの腫瘍の大きさは、高タンパク質の食餌グループに比べて平均78%も小さくなりました。
●高タンパク質の食餌グループは、IGF-1のレベルが増加
●低タンパク質の食餌グループは、高タンパク質の食餌グループに比べ、IGF-1のレベルが35%低い。
などのデーターがあります。
■参考文献
Institute of Medicine「Dietary Reference Intakes for Energy, Carbohydrate, Fiber, Fat, Fatty Acids, Cholesterol, Protein, and Amino Acids」
もちろん、成長期や活発な子は、十分なタンパク質が必要です。
肉、魚、牛乳や卵などに含まれる動物性タンパク質には、私たちが体内で作ることができない必須アミノ酸が豊富に含まれています。植物性タンパク質に比べて、体が利用しやすいです。
豆類、ナッツなど、食物繊維、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富な植物性タンパク質を多く含む食品をベースにして、動物性タンパク質も適量をバランスよく摂取することが重要です。
そして、私たちは血液検査が出来ますので、それを見ながら、アミノ酸のサプリメントを足したり、点滴したりできますので。
がんの子は、IFG-1を増やさないことが大切ですね。
Source: ブログまねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美ペットのいる暮らし
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