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■本 号泣必至の感動小説!『ライオンのおやつ』 看取るということ #ライオンのおやつ
投稿日 2021年9月12日 10:49:46 (動物病院)
私たちは、毎日、がんのもふもふちゃんの治療をしています。
全部の子たちが寛解すればいいのですが、なかなか難しい子もいます。
もうなにもしても助けられない子たちは「安らかに眠ってもらいたい」と思っています。
今日、ご紹介する『ライオンのおやつ』は、瀬戸内海に浮かぶレモン島と呼ばれるところにあるホスピス
の話です。2020年本屋大賞第2位でテレビ化もされました。
あらすじ
主人公である海野雫さんが、ステージⅣのがんと診断されて治療を望まず、最後の日々を過ごす場所にこのレモン島にやってきます。
ホスピスには、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」がありました。
ホスピスなので、死の問題が出てきますが、小川糸さんの温かい文体とファンタジー風なので、読んでいて優しい気持ちになれます。
どろどろしたところがなく陽だまりのような文体です。
この本の中には、六花という犬が出てきます(雪の結晶が六角形であるところから雪のことを六花っていうのですね。この小説を読むまで知りませんでした。北海道の六花亭にはお世話になっていたのに)。
雫さんに寄り添って寝てくれるのです。動物好きには、この六花ちゃんの存在はたまらないと思います。
この本を読んで「ライオンのおやつ動物病院」に改名しようかと思ったほどです。
なぜ、ライオンなのか
136ページ
「ライオンは、動物界のなにだかわかりますか?」
予想外の質問に、私が立ち止まってマドンナを見る。
「百獣の、王ですか?」
「そっか、その通りです。つまり、ライオンはもう、敵に襲われる心配がないのです。安心して、食べたり、寝たり、すればいいってことです」
この小説の後半部分で、私はずっと泣いていました。
自宅で読んだ方がいいですね。
がんのもふもふちゃんを看病している人、シニアの子と暮らしている人におすすめです。
Source: ブログまねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美ペットのいる暮らし
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